2012年 第1回グランドオペラJAPAN
オペラ・オーストラリア、日本初上陸!
演出家からのメッセージ
ドン・パスクワーレは喜劇です。ですから、より直接的・実感的な世界を創り出すよう心がけ、分かりやすく楽しめる設定に置きかえました。
場所はローマ。時代は、きらびやかな衣装や美しい芸術品にあふれた、1950年代初頭がふさわしいと考えました。ドン・パスクワーレは、元ローマ駐在日本大使と想定し、イタリアの伝統的家具と日本の芸術品で飾り立てた、大きな邸宅に住んでいます。
しかし、若い妻ノリーナの手によって、彼の邸宅は、モダンな調度品や豪華な装飾品が持ち込まれ、がらりと変わります。このコントラストも、見所の一つです。それから、出演者の技巧的な歌唱と表情豊かな演技も、皆様を魅了することでしょう。
これは喜劇だと申し上げました。そのとおり、抱腹絶倒の場面が続きます。しかし、友人マラテスタとノリーナに、手ひどくだまされたパスクワーレに、憐憫の情を禁じ得なくなる場面もあります。
私もデザイナーのリチャード・ロバーツも、日本ならではの演出を楽しみながら創作しました。皆様にも、オペラは楽しいものだと、身近に感じていただけましたら、幸いです。 ロジャー・ホッジマン